サッカー少年のスパイクとサッカーボール

2019年5月、これまで「黒のみ」とされていたスパイクを、熱中症対策として「白いスパイクも使用可能」と発表されました。

これ実はサッカーではなく高校野球の話なのですが、長らく高校野球では、黒いスパイクを使うことが規則に定められていたんです。

対してサッカーでは、色とりどりのスパイクを履いているのを目にしますよね。

規則の違いなので、どちらが良い、悪い、ということではないんですが、ちょっと気になるのが野球の規則変更の理由。
それが「熱中症対策のために黒いスパイクしか使えないところを、白いスパイクも解禁した」というところなんですよね。

サッカースパイクには白もあれば黒もあります。それ以外の色もたくさんありますよね。それでは野球が規則を変更したように、スパイクの色だけで熱中症対策になるのでしょうか?
実際に温度はどれくらい熱くなっているのか見てみましょう。

夏に黒いスパイクを履いていると焼けるように熱い

夏の部活では長時間の練習は当たり前でしょう。

実際に黒いスパイクを履いて練習をしている選手は実感していると思いますが、夏はスパイクのアッパー部分がジリジリと焼けるように熱くなるのが分かります。

これはサッカーに限らず屋外で行うスポーツでは共通で、明らかに黒いスパイクは熱を持ってしまいます。

高校野球が白スパイク解禁!MIZUNOがデータを出した!

黒と白のスパイクを比較したときにどれくらい熱さに違いが出るのか?スポーツメーカーのMIZUNOがデータを公開しています。

ミズノの実証実験の記事はこちら

なんとなく実体験から「黒いスパイクって熱いよな・・・」と感じてはいましたが、数字を見ると、スパイクの表面、内部、ともにかなり熱くなっているのが分かります。

検証したのが8月後半ということなので、真夏の一番熱い時期に太陽が出ているシチュエーションですよね。通常の夏休みの部活などでは、これにかなり近いシチュエーションを皆さんが体験しているはずです。

まずシューズの中の温度を見てみましょう。

熱い時間帯でも白いスパイクは41度から42度付近をウロウロしているのに対し、黒いスパイクは50度を超えている時間帯も珍しくありません。シューズの内部の温度差は約10度ほど黒いスパイクの方が熱くなるという結果になっています。

シューズの外表面の温度はどうでしょうか。

シューズ内部よりも熱くなるのが当然予想される外表面ですが、白いスパイクでは暑くなる時間帯でも49度程度が最高。黒いスパイクの内部温度よりも、白いスパイクの外表面温度の方が低い結果となっています。

そして注目したいのが、黒いスパイクの外表面温度です。なんと最高温度が70度ととんでもない熱さになっているのが分かります。お昼前後の暑い時間帯では終始60度を超えていることから、やはり白いスパイクは温度が低くなり、黒いスパイクは温度が高くなるのが実証されたんですね。

スパイクの温度実験をした日は最高気温32度

ミズノがスパイクの温度実験をした日は、特別に暑い日だったわけではない点にも注目してみたいと思います。

天気こそ直射日光の厳しい夏の晴れの日だったものの、最高気温は32度という環境で、黒いスパイクと白いスパイクの温度実験が行われています。

7月、8月ともなればしきりに熱中症への対策が呼び掛けられ、外での運動に対する注意喚起も頻繁にされるような時代です。

よくニュースなどで報道されているように、日本の夏の最高気温は40度を超えてくる地域もありますよね。

そんな環境であれば黒いスパイクはさらに温度が高くなるのは、容易に想像がついてしまうのではないでしょうか。

夏のサッカーを想定するなら黒いスパイクは避けた方が無難?

夏のサッカーコート

屋内で行うフットサルや、ナイターでのサッカーでは、スパイクの色は白でも黒でも関係ありません。

しかし夏の日中にサッカーをする、という想定をしているのならば、黒いスパイクは避けたほうがいいのかもしれません。

というのも、ジリジリと焼けるような日差しでスパイクのアッパーが熱くなってしまうと、その熱さが少しだけ気になってしまうときがあります。ただでさえ暑い中、足先という局所でも熱くなることで、熱中症を誘因する可能性があると言うことなのでしょう。

またもう1つはボールに対する集中力がスパイクの熱さで、ほんの少しだけ削がれてしまう可能性も考えられます。

やはりプレーに100%集中できる環境、道具選びをするのも、サッカーをプレーするための大切な準備の1つ。

デザインが好きで「黒いスパイクがいい!」というこだわりがなければ、夏の日中のサッカーに関して言えば黒いスパイクは避けた方がいいかもしれませんね。

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