サッカーでは、ボールを強く遠くまで蹴る能力が高ければ高いほど有利になります。
それはサッカーの試合に出たときでもそうですし、チーム内でポジション争いをしているときだってそうです。キック力はあればあっただけ有利なのは紛れもない事実。
シュートやロングパス、パントキックなど、シュート力で差が出る場面がたくさんあります。このシュート力を高めるための筋力トレーニングの方法について、やり方や鍛える筋肉などを見ていきましょう。
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ボールを蹴るだけじゃ効率的なシュート力アップは見込めない
シュート力アップのためにはまず「ボールをとにかく蹴る」という練習を考える人も多いかもしれません。
しかしボールを蹴るだけでは効率的なトレーニングとは言えません。というのも、強いシュートを蹴るためには軸足の使い方や体重移動の方法。さらにはボールのどこを蹴るのか、など様々な要因が複雑に絡み合っています。
シュート力をアップさせるための筋力トレーニングに着目するならば、シュート力に関係のある筋肉を鍛えるトレーニングを考えていくべきなのです。
ボールをインパクトするポイントやキックの技術については、筋力トレーニングとは分けて練習するようにしましょう。
シュートをするときに使う筋肉とトレーニング方法
それではシュートをするときに使う筋肉をまずピックアップしていきたいと思います。
ボールを蹴るという動作は全身を使いますが、特に関係の深い筋肉を効率よく鍛えていきましょう。
シュート力アップの筋肉:大腿四頭筋
シュート力をアップさせるために一番大きな筋肉が大腿四頭筋と呼ばれる筋肉です。太ももの前側にある大きな筋肉で、膝を曲げた状態から伸ばすときに使われます。
走る、ジャンプする、キックする、など様々な場面で重要な役割を果たしています。
大腿四頭筋のトレーニング:スプリント
まず大腿四頭筋の筋力トレーニングとしてスプリントをおすすめしたいと思います。
スプリントとは短い距離をダッシュするトレーニングです。
スプリントは足を強く踏み込んで地面に対して力を加えます。そのとき地面に足をついた反動(地面反力と言います)を大腿四頭筋で受け止めているんです。
シュートのときも力がかかる方向が違うものの、足を前に送り出してボールをインパクトしますよね。このインパクトを受け止めているのは大腿四頭筋になります。
また軸足を踏み込んだときにも、スプリントと同じような力がかかっています。
スプリントで地面に足が着地させるとき、地面にかかった体重を大腿四頭筋で受け止めるようにバランスを取りながら意識してみましょう。
大腿四頭筋のトレーニング:ジャンプランジ
シュート力を上げるためのトレーニングで、ジャンプランジもおすすめです。
足を前後に大きく開き、体重を真下に落としていきます。そこから大きく垂直にジャンプして、足を入れ替えて着地します。
このとき膝は地面に付かないように注意してください。
大腿四頭筋を力強く使ってジャンプ力に変換させ、瞬発力をアップさせるのに適したトレーニングです。このとき足を強く伸ばすように力をかけていくのでシュート動作に近く、シュート力のアップが見込めるでしょう。
またジャンプ動作も加わるので、体のバランスや重心の感覚も同時に養えるおすすめのトレーニングがジャンプランジです。
シュート力アップの筋肉:前脛骨筋
強いシュートをするとき、ボールをインパクトするのは足の甲の部分です。シュートをするときの足の甲を支える筋肉が、前脛骨筋という筋肉です。脛の外側にある筋肉のことですね。
この前脛骨筋は、足首を伸ばした状態でつま先をギュッと上げてみてください。このときにすねの外側の筋肉が使われるのが分かると思います。
サッカーのインパクトでボールを蹴った瞬間、足首が戻る方向に力が加わります。その力を受け止めているのが前脛骨筋なんです。
前脛骨筋のトレーニング:バンド・ドルシフレクション
前脛骨筋を鍛えるためには「ドルシフレクション」というトレーニングをやっていきましょう。足首に負荷をかけたまま上下させる運動です。
この運動にバンドを装着して負荷を高めていくのがバンド・ドルシフレクションです。
まず地面に座って両足を前に伸ばしましょう。
続いてゴムバンドを片方の足裏に引っ掛けます。
次に逆の足のつま先に輪を引っ掛けてテンションをかけます。
膝や太ももの高さをキープしたまま、つま先だけを手前に引き寄せるように動かします。
バンド・ドルシフレクションのポイントは、ゴムの負荷を抜かないことです。足首を戻したときにゴムの負荷を抜いてしまうと、そこで筋肉が休憩できてしまいます。
常にゴムのテンションで負荷がかかった状態で行えると、効率的にトレーニングができます。
前脛骨筋のトレーニング:かかと歩き
前脛骨筋をもっとお手軽にトレーニングする方法に「かかと歩き」があります。
トレーニング方法は非常に単純で、つま先を上げて歩くだけです。常につま先を地面に付かないように意識して歩いてみましょう。やってみると前脛骨筋が強く盛り上がって、負荷がかかっているのが感じられます。
慣れてきたらつま先を限界まで引き上げてかかと歩きをしてみてください。
シュート力アップの筋肉:腸腰筋
シュート力アップの筋肉で注目したいのが腸腰筋と呼ばれる部分です。深腹筋とも言われていて、走るときに腿を引き上げるための重要な筋肉になります。
シュート動作も股関節を中心とした円運動なので、インパクトする足を加速させるための土台とも言える筋肉です。
足を振るスピードがアップすればインパクトのパワーを得られやすくなりますので、シュート力アップには欠かせない筋肉と言えます。
腸腰筋のトレーニング:バンドニーリフト
バンドを使って膝を引き上げるトレーニングがバンドニーリフトです。動画ではバンドを使っていませんが、負荷をかけていきたいのでゴムバンドを使って負荷を増やしていきます。
椅子に座り、足の裏にバンドを引っ掛けます。そして反対側の足のつま先に引っ掛けましょう。
ここで足首と膝の角度を固定して、膝を胸に引き寄せるように動かします。膝を曲げてしまうと、腸腰筋への負荷が抜けてしまいトレーニングの効果が薄くなってしまいますので、腸腰筋から負荷を抜かないようにイメージして行いましょう。
筋力トレーニングはただやればいいのではなく、トレーニングのフォームを守って鍛えたい筋肉に刺激を与えるのが一番大切です。
腸腰筋のトレーニング:レッグレイズ
道具を使わないレッグレイズと言うトレーニングも腸腰筋を鍛えるのにおすすめです。
レッグレイズのやり方は、仰向けに寝て両足を垂直に立てます。そこから足を下へ動かして、地面から5センチくらいのところでストップさせます。そのまま足を地面につけず、また垂直に立ててこの運動を繰り返していきます。
腹筋も同時に鍛えられますが、腸腰筋に刺激が入りやすく、道具を使わないお手軽なトレーニングです。
シュート力アップの筋肉:腹斜筋
シュートは足で蹴るものなのですが、その大きなパワーを生み出すためには上半身の働きも見逃せないポイントです。特にシュート前の動作で体を捻ってパワーを作り出す動きは、シュート力に直結する動きです。
捻った上半身を戻してくるのが、腹斜筋と呼ばれる脇腹の部分にある筋肉になります。
腹斜筋のトレーニング:サイドクランチ
腹斜筋を鍛えるトレーニングでは、サイドクランチというトレーニングを行っていきましょう。
まず地面に横向きになり、肘と足先だけを地面につけましょう。このとき頭、首、腰、膝、足首が一直線になっているようにします。この状態で耐えるには脇腹の筋肉にしっかり力を入れておかないと、体が曲がってしまいます。
腹斜筋のトレーニング:ロシアンツイスト
腹斜筋を鍛えるトレーニングでロシアンツイストというものがあります。
まず体操座りの状態から足を10センチくらい浮かせます。次に手を胸の前に組んで足や背中をつかないように、上半身を左右にひねります。
このとき手を横に動かすのではなく、体を左右にしっかり捻じってやるようにイメージをしましょう。負荷をもっと大きくしたい方は、ダンベルやメディシンボールなどを持ってロシアンツイストを行ってみましょう。
シュート力をアップさせるトレーニングの回数や時間は?
シュート力をアップさせる筋力トレーニングの方法やメニューをお送りしました。
トレーニングの回数や時間については書いていませんが、その理由は筋力には個人差があるからです。筋力トレーニングの回数や時間を決めてしまうと、筋力が無い人には過負荷に、筋力がある人には低負荷になってしまいます。
そのため目安になるのが「もう限界……!」というところまで追い込むオールアウトと呼ばれるものです。ただサッカーをするための筋肉を鍛えるのに、オールアウトまで追い込むのも難しいでしょう。
そのためトレーニングの負荷はオールアウトが10割ならば、7割から8割程度くらいまで追い込んでみてください。またセット数も筋肉痛などの残り方を見ながら最初は1セットから2セット。そこから少しずつ伸ばしていきます。
トレーニングを継続して強いシュートが打てるように、筋力トレーニングを継続していきましょう。
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