よくサッカーのニュースを見ていると「レンタル移籍」という言葉を耳にするのではないでしょうか?

「期限付き移籍」とも呼ばれるこのシステム。野球など、他のメジャースポーツではあまり耳にしない移籍システムなのですが、この「レンタル移籍」について、詳しく知っていますでしょうか?

今回はこの「レンタル移籍」について解説して行きたいと思います。

そもそもレンタル移籍とは?

記者会見をする男性

一般的に移籍と言えば所属チームを移動することなのですが、レンタル移籍の場合は少し異なります。

「移籍金無し&期限付き」で、選手を他チームへ移籍させることを言います。「期限付き」というのがポイントで、あらかじめ設定された期限を過ぎたら、移籍元のチームに戻ってくるというシステムなんですよね。

その際、移籍先のチームは移籍元チームへ「レンタル料」を支払ったり、選手への報酬を肩代わりしたりします。

2020-21シーズン前にレアルマドリードからビシャレアルへのレンタル移籍をしている、久保建英選手を例にとってみましょう。

久保建英選手は2018-19シーズンにレアルマドリードと5年契約をしています。

ビジャレアルへレンタル移籍したのが2020-21シーズンが始まる前なので、まだレアルマドリードとの契約期間中ですよね。

レンタル移籍の場合は、レアルマドリード(移籍元)との契約を破棄することなく、他チームへ移籍できるのがポイントです。

今回の場合、久保建英選手は「1年間」という期限付きで、ビジャレアルに移籍をしました。レンタル移籍をするときには、移籍元へ移籍先のクラブからレンタル料が支払われます。

久保建英選手のレンタル料は2億5000万円と言われており、ビジャレアルはその金額をレアルマドリードへ支払う形となります。

https://www.soccer-king.jp/news/world/esp/20200811/1104601.html

このように通常の移籍と比べて、少し変わった形で行われるレンタル移籍。

契約期間中なのに、自チームの戦力を他チームへ移籍させるのは、少しもったいないような気もしますが、なぜサッカー界ではレンタル移籍が頻繁に行われているのでしょうか?

次にレンタル移籍のメリットとデメリットについて解説していきたいと思います。

レンタル移籍のメリット

サッカー選手

まずはレンタル移籍のメリットから見ていきましょう。

移籍金が発生しない

通常、選手を他チームへ移籍させる場合「移籍金」や「違約金」が発生します。この移籍金は移籍先が負担するのですが、レンタル移籍の場合、契約自体は解除していません。

そのため移籍先のチームは完全移籍に比べて、安く選手を獲得することができます。安く即戦力となれる選手を獲得できるんです。

選手に出場機会を与えることができる

サッカーの場合、試合で得られる経験が大きくものをいうスポーツです。

なので「試合に出る」というのは選手の成長にとって、とても大切な事なんです。しかしサッカーはチームスポーツなので、他の主力とポジションが重なってしまうなどのチーム事情で出場ができない選手も出てきます。

移籍元のチームはこのような選手に対して、レンタル移籍を積極的に行う場合もあります。

他チームへ移籍させることで、選手に試合への出場機会を与えられることにつながります。自分のチームに所属させておきながら、他チームの試合に出て選手を育ててもらうというイメージですね。

レンタル移籍のデメリットについて

レンタル移籍のメリットについて確認してみましたが、続いてはデメリットも見ていきましょう。

移籍先のチームにとって根本的な戦力強化にはならない

レンタル移籍は期限付きの移籍です。

そのため移籍先のチームがその選手を一生懸命育てても、最終的には元のチームに戻ってしまうことが多いんです。

移籍先のチームはレンタル移籍で獲得した選手を育てても、育成にかけた時間が無駄になってしまうことがあります。

移籍元のチームとの試合には出場できない場合がある

これはレンタル移籍をするときの契約内容によって変わってきますが、移籍元との試合の場合、レンタル移籍で移籍された選手はその試合に出場できないケースがあります。

基本的にレンタル移籍に関するデメリットは、移籍先のチームに関係するものが多いです。ただこのようなデメリットを軽くする制度の一つとして「買い取りオプション」というものがあります。

買い取りオプションって何だろう?

レンタル移籍の場合、期限が来たら選手は移籍元のチームに戻されてしまうのが基本です。

ただし契約の中に「買い取りオプション」というものが含まれていた場合、移籍先のチームの意思でその選手を買い取って完全移籍させることができます。

買い取りオプションが契約条項に入っており、移籍先のチームが買い取りをすれば、育成に費やした時間が無駄にならないということですね。

ちなみに久保建英選手の2020-21シーズンのレアルマドリードからビジャレアルへのレンタル移籍の場合、買い取りオプションは無しの移籍でした。

レンタル移籍を知ればもっとサッカーが面白くなる!

サッカースタジアム

 

いかがでしたでしょうか?

他のスポーツではあまり耳にしない制度ですが、良く調べてみると、「移籍先・移籍元・選手」の移籍に関わる全ての人にとって魅力のある、とても合理的なシステムです。

安く選手を補強したいクラブ、出場機会を与えて育てたいクラブ、それぞれの思惑が合致するシステムがレンタル移籍制度なんですね。

レンタル移籍の制度を知っているだけで、移籍に関するニュースが流れるとチームごとに思惑が見え隠れするのが分かってくるかもしれませんね。

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