リカバリートレーニングという言葉を聞いたことはありますか?
今回はリカバリートレーニング重要性について、お話していきたいと思います。このリカバリートレーニングをやるとやらないのでは、練習や試合のパフォーマンスに大きな影響をもたらすんですよ。
選手だけでなく、指導者の皆さんもぜひご覧になってください。
目次 [閉じる]
リカバリートレーニングって何?
リカバリートレーニングとはどういうものなのか、まず見ていきたいと思います。
試合や練習の後には激しい運動をした後ですから、筋肉が疲労していますよね。この筋肉の疲労をリカバリー(回復)させるトレーニングです。
トレーニングと聞くと、鍛えるというイメージが強いのですが、逆に運動をすることで筋肉の回復を手助けしていこうという目的で行われます。
リカバリートレーニングのやり方を見る前に、試合や練習後には筋肉に何が起こっているのか確認してみましょう。
強度の高いトレーニングで生成される乳酸
サッカーの試合では、短いスプリントが繰り返されるような運動が多くなります。スプリントって短時間で強い力を出す運動じゃないですか。
それを繰り返していると「足が動かなくなる」「スピードが上がらない」などの疲れが出てきます。この筋肉の疲れは筋肉の中にたまった乳酸などが原因です。
乳酸などは速筋を使った運動を行うことで筋肉に生成されていきます。
サッカーならばスプリントやジャンプなど、一気にパワーを爆発させるような動きがこれに該当しますね。
乳酸が残ると筋肉の質が悪くなる!?
この乳酸などの成分が筋肉に残ってしまうと、日にちが経過すればそのまま血流によって流されていきます。
でも乳酸などが全て流れてしまうまでの間に、また運動などをすると筋肉の回復が思うようにいかず、筋肉が固くなったまま戻らなくなってしまうケースも。
通常時は柔らかく、力が入ったときに固くなっているのが「良い筋肉」なのですが、常に固くなってしまった筋肉は「質の悪い筋肉」なんです。
固まってしまった筋肉は最大出力や持久力の低下につながり、関節などへの負荷がかかりやすくなります。
その結果、故障の原因になるとも言われていますね。
土曜日に練習でハードトレーニングをして、翌日の日曜日には試合がある、なんてケースも学生サッカーでは少なくないのではないでしょうか。
乳酸の意外な使い道とは?
この乳酸はトレーニング中、足が動かなくなってきたりしたときに「悪者」として扱われる場合も多いのですが、実は意外な使い道があるんですよね。
それは小さな力を持続的に出す、持久系の筋肉のエネルギーになってくれること。
パワー、スピード系の大きな力を出すトレーニングをした後に、たまった乳酸を消費して筋肉に疲れを残さない。これがリカバリートレーニングの考え方なのです。
リカバリートレーニングのやり方
リカバリートレーニングのやり方について見ていきましょう。
リカバリートレーニングは、練習などの最後に行われるクールダウンとはちょっと考え方が異なります。
クールダウンでは、運動で上がった心拍数を少しずつ下げていくのが目的ですよね。しかしリカバリートレーニングは、心拍数をあまり下げないのがポイント。
心拍数をある程度の数値で維持すると、強度が低い有酸素系の運動で乳酸を使いつつ、血流も確保して乳酸を流すという効果が期待できるからです。
リカバリートレーニングに有効な心拍数は、自身の最大心拍数の50~60%程度が目安。
年齢が20歳ならば100回~120回/分程度の心拍数を、15~20分維持できるようにしてください。このリカバリートレーニングを行うのには、運動強度が低めで心拍数を維持できるジョギングが最適です。
このとき注意したいのが、全員で隊列を組んで声出しをしながら走らせないようにしましょう。
ジョギングによって心拍数を維持して、乳酸を使い切るのが目的です。隊列を組み、声を出しで走らせてしまうと、ついついペースが上がってしまいます。
これではハードワークを重ねてしまう結果につながりかねません。
各々のペースで心拍数を維持させるのが、一番の目的です。
リカバリートレーニングを行うタイミングとしては、日を改めて行うのではなく、練習後や試合後に行うのもポイントです。
トレーニングの疲れを残さないリカバリートレーニング
ハードトレーニングを行った後には、疲れを残さないようにリカバリートレーニングを取り入れてみてください。
練習をするとき「鍛える」のも必要ですが、しっかりと回復させてあげることも非常に大切なんですよ。
また運動中には体内からエネルギーをどんどん消費していきます。長時間の練習や試合の合間には、上手に「補食」を摂ってエネルギーを補給するのも忘れないようにしてくださいね。