元ブラジル代表のDFで、強烈なインパクトから弾丸のようなシュートを放っていたロベルト・カルロス。
長い助走でペナルティエリアの外から、突き刺すようなフリーキックを決めているシーンが印象的です。全盛期にはたくさんのサッカー少年たちが、ロベルト・カルロスの弾丸シュートに憧れ、シュート練習を重ねていました。
ロベルト・カルロスのシュートは、そのとてつもない威力から「悪魔の左足」とも呼ばれていますよね。
ロベルト・カルロスの弾丸シュートは、世代が移り変わっても色褪せず、サッカー界で語り継がれるほどの伝説。一体このようなシュートはどうやったら蹴れるようになるのでしょうか。
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ロベルト・カルロスのフリーキックをチェック!
ロベルト・カルロスのフリーキックを見てみましょう。
ロベルト・カルロスのフリーキックの代名詞とも言える「弾丸」のようなシュート。
ややシュート回転のボールで、スピードと伸びのあるボールが特徴ですね。
動画では現役を引退した後の動画ですが、シュートの威力はかなり強いのが分かります。ロベルト・カルロスが現役の頃には、フリーキックで時速144キロを記録したという、まさに弾丸と呼ぶにふさわしいシュートです。
ロベルト・カルロスのボールの置き方
ロベルト・カルロスはフリーキックの際、ボールの置き方にも気を付けていました。
それはキックの威力が落ちないように、ボールの一番固い面を手前にすることです。ボールの硬さは均一のはずなんですが、1つだけ固い部分があります。それはサッカーボールの空気穴。
ロベルト・カルロスはサッカーボールの空気穴をインパクトで蹴るように、ボールの置き方にこだわりがあったんです。
ロベルト・カルロスの助走が長いのには理由があった
ロベルト・カルロスはフリーキックで、他の選手と比べても非常に長い助走を取る特徴があります。ロベルト・カルロスが長い助走を取っていたのは、インパクトでキックの威力を上げるのが理由です。
長い助走をとってもシュートの直前でスピードが落ちてしまえば、長い助走の意味はありません。気を付けたいのは助走のスピードを落とさずシュートを打つこと。
ロベルト・カルロスは助走を長く取ってスピードをアップ。自分の助走スピードをキック力に乗せて、フリーキックを打っているのです。
軸足はボールの真横から少し前に置く
ロベルト・カルロスのフリーキックは、低くシュートが打ち出されて伸びのあるボールが、ゴールネットに突き刺さっているのをイメージします。
後述しますがシュート回転のボールを蹴っているため、軸足はボールの真横よりも少しだけ前に置いています。理由はボールをインパクトしてから、ボールの右側へキックした足が抜けていく(ロベルト・カルロスは左利きのため)ように蹴っているためです。
キックの軌道と回転には深い関わりがあります。
ロベルト・カルロスとは逆になりますが例えば右足でキックしたと仮定すると、インパクト後に足が右側へ抜けていくキックならカーブ回転に。逆に足が左側へ抜けていくキックならばシュート回転になります。
このシュート回転はボールが浮き上がりやすい特徴があるので、軸足を下げてしまうとボールが思った以上に浮いてしまう可能性が高くなるんですよね。
実際にボールの浮きを抑えるためでしょう。ロベルト・カルロスのフリーキックを見ると軸足は、ボールの真横~スパイクの半分が前に出るくらいのシュートが多くなっています。
軸足をボールよりほんの少しだけ後ろに置くことで、打ち出しを低くして伸びのあるシュート回転がかかるよう調整していたんです。
体の軸は傾けすぎないのがコツ
体の軸を傾けすぎないのが、ロベルト・カルロスのような弾丸シュートを蹴るコツです。
アウトサイドキックで伸びのあるシュートを打ちたいので、体の軸を強く傾けてしまうとボールがインパクトで外に逃げてしまいます。これではボールは外に曲がるシュート回転がかかりすぎ、前に進む推進力が弱くなってしまう可能性があるからです。
ロベルト・カルロスの弾丸のようなシュートは、インパクトのパワーをいかに逃がさずキックできるかが大きなポイントになります。キックの力を効率良くボールに伝えるため、軸は傾けすぎないように意識してみましょう。
ここでちょっと見てみたいのが、ロベルト・カルロスと同じくフリーキックの名手として有名な元イングランド代表のデビット・ベッカム。
ロベルト・カルロスが弾丸ならば、このデビット・ベッカムはブーメランのような大きく弧を描いて内側に巻き込むようなフリーキックを得意としていました。
デビット・ベッカムはインステップで、足をボールの左側へ抜くようなキック軌道でのフリーキックが多かったので、ボールの弾道はロベルト・カルロスとは対照的です。ベッカムのフリーキックは軸を大き目に傾けて、ボールを外側から引っ掛けるようにフリーキックを蹴っています。
蹴り方や軸の傾きによって最適な弾道が異なるという良い比較ですね。
ロベルト・カルロスのように弾丸のようなシュートを蹴る場合には、体の軸は少し立て気味にしてキックします。
伸びのあるフリーキックはシュート回転で蹴らなければいけない理由
ロベルト・カルロスの弾丸のようなフリーキックを蹴るなら、シュート回転でのキックを目指しましょう。
シュート回転のボールは、カーブ回転のボールと比べて回転が強くかかりません。ボールの回転が強くかかるとボールは曲がろうとして前に進む力が弱まってしまいます。
反発力やキック力を、サッカーボールに伝えやすいのがシュート回転なんです。
次にボールの回転軸を見てみましょう。
カーブ回転もシュート回転も、角度の差はあれど回転軸は左に傾いています。それぞれのキックでは回転方向が違い、カーブ回転では左方向、シュート回転では右方向に回転しています。
ボールを後方から見たときの気圧変化を見ると、カーブ回転はボールが落ちる軌道に、シュート回転のキックはボールが伸びる軌道になるのが分かります。
ロベルト・カルロスのようなフリーキックを蹴りたいと思ったときには、シュート回転で蹴らなければいけない理由はここにあったんです。
時代を超えてロベルト・カルロスのフリーキックをマスターしよう
ロベルト・カルロスのような強烈な弾丸シュートを蹴るためには、これだけのポイントが隠されていたんです。
強靭な肉体やシュートセンスだけではなく、強いボールを蹴るために大切なポイントを1つずつマスターしていけば、ロベルト・カルロスのような弾丸シュートが蹴れるようになっているでしょう。