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ギリギリのゴール判定を助けてくれるVARとは

ボールがゴールに迫り、入りそうになっているところをキーパーや選手がギリギリで飛びついて、ゴールを守る場面は試合でもよく見られる光景ですよね。

ゴールネットを揺らすようなシュートが決まったときは分かりやすいんですが、そうではなく、ボールが転がってゴールラインを割って入ったときはどんな状態になったらゴールと判定されるんでしょうか。

ゴールラインをボールが完全に超えたところでゴールになる

まずわかりやすいようにこちらのイラストをご覧ください。

左側がフィールドで、右側がゴールになっていますが、この場合一番下のボールだけがゴールラインを完全に超えてボールの全てがゴール側に入っています。

ゴールと判定されるのは一番下のボールだけで、ボールの一部がラインにかかっていたときでもゴールにはならないんです。

ゴール?ノーゴール?ギリギリの判定はたくさんある

やはり試合中でも、ゴールなのかノーゴールなのか微妙な場面はたくさんあります。

ギリギリまで引いてボールをゴールの外へはじき出す、ゴールキーパーの特集動画です。どれもかなりギリギリのはずなんですが、審判はジャッジに迷っている様子は見られません。

その理由は動画中にもたびたび出てくる、ゴールラインとボールのアニメーションに理由があります。

人の目じゃゴール判定できないときは「VAR」

審判でもゴールかどうか、ぎりぎりのところは瞬時に見破れるわけではありません。とくに空中のボールでは判断に迷う場面も多いでしょう。

そんなときに活躍してくれるのが「VAR(ビデオアシスタントレフェリー)」というシステムです。2017-18シーズンからはドイツブンデスリーガ、イタリアのセリエAで正式に運用が始まっています。

VARの歴史やシステムは?

サッカーの歴史を見ると、数多くの誤審がこれまでもありました。

古くはアルゼンチン代表のマラドーナの「神の手」や、2010年ワールドカップ欧州予選のプレーオフでのティエリ・アンリのハンドなどが有名です。

審判と言えど全てのプレーを正確にジャッジできるのかというとそれはかなり難しいでしょう。そこで2010年代にオランダサッカー協会がビデオ審判導入を目指し動き始めたのがきっかけです。

2014年にビデオ審判導入の嘆願書を国際サッカー評議会(IFAB)へ提出し、2016年の総会でVARの試験的な導入を決定しました。

試験導入から様々な試合で試験導入がされ、2018年FIFAワールドカップでは全ての試合でVARが導入されることになったんです。

このVARが活用される場面は全てのプレーに適用されるわけではなく、以下のケースに限定されています。

ゴールの判定 ボールがラインを超えているかどうか不明確な場合の判定
PKの判定 ペナルティエリア内のファールがPKに相当するかどうかの判定
レッドカードの対しての判定 一発でレッドカードになるのかどうかの判定(イエローカードの累積退場は対象外)
選手の処分に対する判定 選手への警告などが正しかったかどうかの判定

これらのケースで審判の重大な見逃しや誤審の可能性が高い場合にVARが適用されます。

主審がVARと連絡をするときには、手を耳に当てて、顔の前で四角を作るジェスチャーを行います。

VARの判定は大型モニターで映し出される!

VARの判定でゴールが取り消しになったり、PKになったりと試合の展開が左右されるジャッジが行われます。そのためVARの判定が行われるときには、スタジアムの大型モニターで映し出されて観客にも伝わるようになっています。

判定が覆る瞬間を選手やスタジアムのサポーターみんなが息を飲んで見守る瞬間です。

審判が目で瞬時に判断できないケースもあるプレー。

これをビデオの力でジャッジの公平さを保てるのは選手にとっても最良の選択になりますよね。