スポーツニュースなどで「○○○選手が○○○のチームへ移籍が決定。移籍金は○○億円……」というニュースを見たという方も多いでしょう。なんだかとんでもない金額になっているこの「移籍金」というシステムですが、一体どんな仕組みになっていて、誰がもらえるものなんでしょうか。
ここでは移籍金の仕組みについて、詳しく解説していきたいと思います。
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移籍金とは選手が契約中にチームを移籍するときに発生する
移籍金と言うのは、その選手がチームとの契約期間中に他チームへ移籍するときに発生するものです。いわば契約途中の移籍による「違約金」なんですね。
そのため所属チームとの契約満了していれば、チームを移籍したとしても移籍金は発生しないことになります。
移籍金は在籍元のチームへ移籍先のチームが支払う
契約期間中の移籍をすると、在籍しているチームから、移籍先のチームへ支払いが行われます。
ニュースなどで大々的に「移籍金○○億円!」と報道されるケースもありますが、これはチームへ支払われているもので、選手へ入るものではないんですね。
「移籍金」はすでに撤廃されている!?
ここに紹介している移籍金はいわゆる違約金を指していましたが、日本のJリーグでは過去に移籍金の制度もありました。
2009年にすでに事実上撤廃されている制度ですが、契約満了時にも移籍金が発生する仕組みでした。その制度があったために、他クラブが契約満了となった選手を欲しいと思っても、移籍金の支払いがあるため引き取り手がなくなってしまい、引退に追い込まれてしまう選手もいたようです。
そのようなシステムでは選手にとってマイナスしかありません。そこで当時のEUに追随する形で、先述した違約金のシステムに移り変わっています。
海外への移籍の可能性が高い選手はあえて長期契約を結ばないケースも?
選手個人としてはやはり長期間のクラブとの契約を勝ち取りたいものです。それだけ自分の年俸やプレーするチームが保障されるわけですからね。
逆にチームにとっても「絶対にこの選手は放出したくない!」という選手については、長期間の契約を結んで流出を防ごうとするものです。人気選手の流出はグッズやチケットの売り上げにも大きな影響になるので、チームにとってもリスクを取ってでも長期の契約をしたい選手はいるでしょう。
しかし選手の中にもJリーグで経験を積んで、いずれは世界に……と考える選手も決して少なくありません。こうした選手の場合、海外へ移籍しやすいようにあえて長期契約を結ばず、短期での契約を結ぶケースも目立ってきているようです。
短い契約期間であれば、海外移籍をするときも移籍先のクラブが「移籍金」の支払いをしなくてもよくなるからですね。選手のキャリアアップの道が少しでも広がるように、長期契約をしないという道を選ぶこともあります。
移籍ができる時期が決められている!?
この移籍ですが、移籍はいつでも自由にできるわけではなく、FIFAのルールで移籍の時期、期間が決められています。
各リーグで開幕の時期が変わってくるため、各国でその時期は異なります。
例えば秋春制(8月に開幕して5月に閉幕)を採用しているところなら、6月から8月末頃までが夏の移籍期間。1月中が冬の移籍期間となります。
春秋制を採用している国では、1月から3月いっぱいが冬の移籍期間。7月の中頃から1か月ほどは、夏の移籍期間です。
国によって少しずつ時期が変わりますが、注目の選手の移籍金の話題が、冬と夏場に多いのにはこういう理由からだったんですね。
巨額の移籍金はサッカーファンやメディア注目の的
移籍金は移籍元と移籍先、それぞれのチームで支払いが行われるもので、選手の収入となるわけではないのが分かりましたね。移籍の話はトップ選手になればなるほど、ニュースや紙面で巨額の「移籍金」の話題が飛び交います。
やはりそれだけ大きな移籍金は、全世界のサッカーファンから注目を集めているという人気の高さと直結するのでしょう。
巨額のお金を積んででも自分のチームに欲しい、というクラブからの評価は人気、実力ともに世界最高峰の選手である証。いつか日本人サッカー選手も、巨額の移籍金でビッグクラブへ移籍する選手が出てくるのでしょうか。