フィールドプレーヤー出身の指導者にとってGK(ゴールキーパー)の育成、指導方法は悩みどころの一つではないでしょうか。
GK(ゴールキーパー)と言えばポジショニングやキャッチング、キックなどフィールドプレイヤーに通じる動きもありますが、唯一手が使えるポジションであるのが大きな違いです。
そこで「手」を上手に使うためのトレーニング、ハンドアイコーディネーションというものを紹介していきたいと思います。
目次 [閉じる]
ハンドアイコーディネーションって何だろう?
ハンドアイコーディネーション、というとちょっと聞きなれない言葉かもしれませんが、ハンド(手)とアイ(目)をコーディネーション(調整、一致)させるトレーニングを指します。
野球や卓球、テニスなどといった手を主に使う競技では、知られているトレーニングの1つです。
サッカーの場合はフィールドプレーヤーに視点が集まるケースも多いため、あまり一般的ではないのかもしれません。
しかしGK(ゴールキーパー)に関しては手を使う唯一のポジションなので、このハンドアイコーディネーションが非常に重要なトレーニングになってきます。
視覚情報と手の動きを正しく連動させろ!
ハンドアイコーディネーションは、目で見た視覚情報を元にして、自分の手を正確に動かせるかどうかが大きなポイントになります。
シュートが飛んできたら、ボールに対して素早く、正確に手を出すのがハンドアイコーディネーションなのです。
こうした練習は普段から意図せずとも取り入れられているため、自然とある程度は身についているとも言えますね。
逆に日常生活でもハンドアイコーディネーションは根付いています。
食卓でも醤油を手に取って、料理にかける。たったこれだけの動作でも、目で醤油の位置を確認して持つ。
料理を見て量や場所を調節しながらかける、という何気ない動作もハンドアイコーディネーションの1つ。
ただサッカーの場合、日常生活とはちょっと違いますよね。
どのタイミングでシュートが来るか分からないうえに、厳しいコースにもシュートは飛んできます。
しかも至近距離からものすごい威力でシュートを打たれることも想定しなければなりません。
反射神経でボールに反応ができたとしても、そのボールに対して正しく手が出せなければボールをセーブできないのです。
GK(ゴールキーパー)育成のためのハンドアイコーディネーショントレーニング
GK(ゴールキーパー)を育成するための、ハンドアイコーディネーションをトレーニングしていきましょう。
最初は簡単なものから行っていきましょう。
簡単なハンドアイコーディネーショントレーニングができるようになったらウォーミングアップなどに取り入れて行ってもいいですね。
少しずつステップアップしていくと、ハンドアイコーディネーションが磨かれてGKのスキルをさらに高めていけるでしょう。
小さなボールを片手でキャッチ
目で見たものを正確に手でキャッチする練習です。
サッカーボールだと大きすぎるので、身近にある野球ボールやテニスボール、ゴルフボールなどを使って行いましょう。
二人一組でボールを投げる人(ヘルプ)とボールを取る人(プレーヤー)に分かれます。
2メートルくらい離れた位置から、ヘルプはプレーヤーに対してボールを下手投げで投げます。
プレーヤーは飛んできたボールを正しくキャッチするトレーニングです。
何度か続けていると指先に当たったり、手首に近いところでキャッチしようとしてボールを落としたりします。
これが目で捉えた視覚情報に対して、正しく手が動かせていない=コーディネーションできていないのです。
慣れてきたら、ヘルプはプレーヤーの体から遠い位置にボールを投げてみてください。トレーニングの難易度が上がります。
テニスボールでセービング練習
道具が必要になりますが、テニスラケットとテニスボール(軟式、硬式どちらもで良い)を用意します。
実際のシュート練習に見立てて、サッカーボールではなく、ラケットでテニスボールを打ってセービングの練習を行います。
サッカーボールに比べて小さいので、手を出す位置がいい加減だとテニスボールは受け止められません。
ラケットで打つ強さによってはかなりのスピードになるので、高度なハンドアイコーディネーションのトレーニングになるでしょう。
正確に手を動かせる技術を鍛えるのがハンドアイコーディネーション
いかがでしたか?
GK(ゴールキーパー)がハンドアイコーディネーションを高めていけば、これまで取れなかったボールがセーブできるようになってくるでしょう。
目と手を正確に動かすためのハンドアイコーディネーションのトレーニングを、ぜひGK育成に役立ててみてください。