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異年齢でサッカーをすることで得られる財産とは

みなさんが所属しているチームでは、どのような年齢層で練習をしていますか?

日本でのジュニアサッカーチームの多くは、基本的に同じ学年の子ばかりを集めて練習しているところが多いのではないでしょうか。

しかし欧州や南米などの海外のジュニアサッカーチームでは、通常でも2学年合同で練習しているところが多いようです。
またストリートサッカーでは、もっと幅広い年齢層が集まってサッカーをしていることが多くみられます。

実は、欧州や南米などのように違う学年の子供と一緒にサッカーをすると、不思議とやっている子全員、サッカーがが上手くなるって知っていましたか?

なぜ異なる年齢層でサッカーをするとそんなことが起きるのでしょうか?
今回は異なる年齢層でサッカーをしたときのメリットをお伝えしたいと思います。

同学年同士のサッカーはマイナス要素もある?

サッカーは、同じレベルや同じ学年の子とやる方が上手くなると思われがちですが、実はそればかりではありません。

実は同学年同士のサッカーには、「競争」しか生まれません。
場合によっては「競争」は必要なのかもしれませんが、競争によるデメリットも生じます。

それが、実力差による序列

トップの地位に位置付けられた子は、仲間のミスを責めるような、キツイ言葉を投げてしまったり、試合中に冷静になれずイライラが態度に表れてしまったりと、無意識のうちに天狗になっていく傾向があります。

これはトップの地位に位置付けられた子が過信してしまい、「自分はうまいから自分の方が上だ」などのような、考え方になってしまうためだと言えます。

ある意味責任感を感じているとも取れますが、チームにとって良い影響とは言えません。

上の学年の子とサッカーをするメリット

一方、上の学年の子とするサッカーでは、同学年ではトップに位置付けられている子でも、置いて行かれないように必死になることができます。
そして、一緒にプレーをして負けたとしても、「悔しがる気持ち」が生まれます。

そうした「悔しがる気持ち」のような場面をたくさん作ってあげた方が、子供たちは確実に伸びます。

また、上の学年の子のよいプレーをマネして、その技術などを習得しようと努力する子が増え、自然と成長していくことができます。
いつの時代もお手本は、やっぱり身近なお兄ちゃんたちなんですよね。

下の学年の子とサッカーをするメリット

上の学年の子が下の学年の子とサッカーをすると、一見得るものがないように思われがちですが、そうではありません。

当然、上の学年の子の方が、足の速さや技術面では勝っているかもしれません。
成長過程にある子供の一年は大きいため、体格差やフィジカルのレベルの差が生じるのは当然です。

しかし、同学年の子とするサッカーよりも、「考えてするサッカー」をするようになります。

例えば、足の速い上の学年の子が、足の遅い子へ間に合うようパスをしたり、技術でカバーしたり、より集中して「考えるサッカー」ができるようになります。

さらに、上の学年の子は、下の学年の子に対して、お手本になるような良いプレーや良い行動をしようという気持ちが生まれます。
下の学年の子にかっこ悪い姿は見せたくない、と無意識の内に感じてしまうのも1つのメリットなんです。

異年齢でのサッカーを通じて精神的な成長を

このように、同学年同士のサッカーではマイナスになるようなことが、異年齢ではプラスになるということがわかりますね。

目先の結果だけを重視する人もいますが、そんなことは重要ではありません。
大切なことは、成長のプロセスを見守り、楽しむことです。

サッカーをすることで得るものは、技術やテクニックだけでは決してありません。
異年齢でサッカーをすると心の成長や人間的な成長など、これから大人になっていく過程で大切な心が育ちます。
技術だけではなく、精神的にも成長できるような環境も作られているんですね。

そして、こうした貴重な体験を積み重ねていくことで、子供たちはどんどん変化していくのです。
また低学年のときに、上の学年の子にお世話をしてもらったことが経験となって、自分が上の学年になったときにまた下の学年へ、と「恩返し」の連鎖が始まります。

こうした異年齢でのサッカーを通じて、地域やクラブでサッカーの輪を広げていきたいものですね。